Introduction

0. はじめに

さて、今年度のLSIデザインコンテスト設計課題ですが、昨年と同様に基本に帰って基本的なエラー訂正方式である BCH符号にトライしたいと思います。BCH符号は1959および1960年にボッケンジェム(Hocquenguem)および ボーズ(Bose)と チョドーリ(Chanduri)によって発見された符号です。ガロア体と代数計算で実装できますので、初心者のデジタル回路設計 には打ってつけの課題です。学生対象のコンテストですので、小さめのデジタル回路を設計することを念頭に、符号長を 実際に使用されている長さよりかなり短くし、取り扱いやすい大きさとします。また、いくつの設計オプションを設定し、各個人 やチームによって色々な工夫ができるように、実現方法には自由度をある程度与えています。

要求されている設計内容はHDL(VHDLもしくはVerilogHDL)による設計と論理合成です。FPGA等の合成ツールでも参加できます。HDL設計に 興味のある学生はどしどし参加してください。また、余裕のある方はFPGA等で実装すれば、努力を認めて高い評価が得られると思います。 FPGA等での実装もぜひトライしてみてください。

Transmission system

図1  送受信システム

図1に今回設計するデジタルデータの送受信システムのブロック図を示します。システムは大きく分けて、符号化器(ENCODER)と解読器(DECODER)に分かれますが、今回の設計課題は解読器(DECODER)です。実際の伝送システムを想定し、伝送途中でビットエラーが発生することを過程しています。7ビット長であるアスキーコードの送信も可能なように、7ビットの情報ビットに8ビットのパリティビットを追加し、15ビットの符号語を生成するBCH(15,7)符号とします。このBCH符号では15ビット中2ビットのランダム誤りを訂正できますので、比較的強力なエラー訂正能力をもちます。図1ではError Generationブロックがエラーを発生させます。

受信機ではこのエラーを含んだ15ビットの符号を受け取り、エラー訂正処理を行います。エラー訂正処理には有名なところではリード・ソロモン方式などがありますが、処理が複雑で学生対象のコンテストにはやや不向きです。しかしながら、このサイズのちいさなBCH符号方式では、除算回路とROMなどでエラー訂正をやることができ、回路的にはシンプルです。

今回の課題ではBCH符号の知識がなくても設計できるように、以下の仕様書で工夫をしています。設計すべきことは比較的単純ですので、デジタル設計の知識のある学生は自信を持って、課題に取り組んでください。

     Enjoy Okinawa

募集要項

  • 設計仕様書
  • 参加資格 : 大学・高専生による3人以下のチーム
  • 必要事項を記載して以下の受付アドレスにメール送信
  •       EMAIL : support@LSI-contest.com

  • レポートの提出要領については  コチラ (重要)
  • 最終レポート締め切り : 2010年1月29日(金)必着

審査のポイント

  • 速度、回路規模だけでなく、アーキテクチャのユニークさ、アイデア、面白さを十分考慮して審査します。
  • 大学院生、学部学生、高専生のレベルに応じて審査します。
  • 仕様書に従ってまじめに作るのも良いが、オモロイアイデアを歓迎します。他人と違ったことをしよう!
  • 仕様の部分変更など、柔軟に受け付けます。

開催会場


ENJOY HDL! 沖縄で会いましょう!

 

  実行委員長 九州工業大学情報工学部電子情報工学科 尾知 博
     審査委員長 琉球大学工学部情報工学科 和田 知久
        委員 九州工業大学情報工学部電子情報工学科 黒崎正行
        委員 琉球大学工学部情報工学科 吉田 たけお


主催:LSIデザインコンテスト実行委員会,九州半導体イノベーション協会

   共催:琉球大学工学部,九州工業大学情報工学部,特定非営利活動法人フロム沖縄推進機構,
           株式会社沖縄産業振興センター,電子情報通信学会スマートインフォメディアシステム研究会,
           
   協賛:ザイリンクス株式会社,株式会社レイドリクス, 東京エレクトロンデバイス株式会社,
           サイバネットシステム株式会社,日本シノプシス合同会社,ローム株式会社,株式会社ルネサステクノロジ

   後援:沖縄県,国立沖縄工業高等専門学校,CQ出版社