第14回LSIデザインコンテスト・イン沖縄  設計仕様書 - 5

5. 固定小数点方式

イントロダクション

DCTを用いた可逆圧縮を行うためには、浮動小数点を用いたDCT処理が必要です。ハードウェア中での浮動小数点演算を用いるのは、整数の使用より複雑です。大きく精度を下げることなくこの問題を解決するためには、ハードウェア実装のための固定小数点演算を用いなければなりません。この章では、十進数と小数を表すために用いるビット数をそれぞれ決めなければなりません。浮動小数点数は、整数のペア n と q を用いて近似します。ここで n は仮数、 q は指数を表します。指数 q は二進数において小数を表すために必要なビット数を表します。

表1  固定小数点の例
仮数 (n) 指数 (q) 二進数 十進数
01100100 -1 011001000 200
01100100 0 01100100 100
01100100 1 0110010.0 50
01100100 2 011001.00 25
01100100 3 01100.100 12.5
01100100 7 0.1100100 0.78125

固定小数点演算を用いるためのビット数と、回路規模/電力設計はトレードオフの関係にあります。このように、二進数に適切なビット数を割り当てることは重要です。もし2の補数を用いる場合は、MSB(Most Significant Bit)に符号ビットを置く必要があります。

符号ビット 整数部 小数部
図7  2の補数を用いる場合の固定小数点方式
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