第14回LSIデザインコンテスト・イン沖縄  設計仕様書 - 1

1. システム概要

インターネットや無線通信で情報を伝えるために必要なバンド幅に比べて、ディジタル形式の画像の情報量は 非常に大きなものとなり、ビデオなどを伝送する場合は数千の画像を必要とします。(これらの画像を保存するのに多くの記憶容量 を必要とします)。 したがって、画像データのストレージ要件を減らすために何らかの手法が必要となります。 一般的な手法の1つとして、画像圧縮があげられます。

画像圧縮システムは、画質をほとんど劣化させずに画像のデータサイズを圧縮することができます。その手法では画像の高周波成分 を取り除きます。人の目は、低周波成分の違いを認識するよりも、高周波成分の違いを認識する方が困難とされています。そのうえ、ディジタル画像の 大部分は、低周波成分で構成されています。高周波成分を除去することによって画像のデータサイズをかなり圧縮することができます。この高周波成分の除 去手法は、非可逆圧縮の技術です。非可逆圧縮とは、圧縮画像が原画像と異なることを意味します。

今年度のLSIデザインコンテストの目的は、画像圧縮と画像伸長システムをHDL(VHDL、Verilog HDL)で設計し、Synopsys設計解析ツール、もしく は他社のEDAツールを使用して、ディジタル回路設計を行うことです。

図1は画像圧縮システムのブロック図を示しています。カメラによってYCrCb形式(Y: 輝度、Cb: 色差信号青、 およびCr: 色差信号赤)で撮影された画像を入力画像とします。圧縮モジュールは、圧縮されたビットストリームデータに画像を圧縮します。圧縮ビットストリームデータ は、伝送、もしくは、格納されます。

受信機側では、ビットストリームデータが伸長モジュールによって原画像に伸長されます。伸長された画像は、YCrCb形式で、モニタ に表示されます。

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図1  画像圧縮システム