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設計仕様書
1. ノイズ除去アルゴリズム[1]1-1.スペクトル・サブトラクション法
2. 雑音除去システムの実装
2-1.ハード・ソフトの切り分け
2-1-1.HW・SWの特徴
2-1-2.雑音除去システムにおける処理の特徴
2-1-3.アーキテクチャ
2-2.ハードウェア
2-2-1.処理の流れ
2-2-2.回路構成
2-2-3.HWタイミング
2-3.ソフトウェア
2-3-1.ソースコード
2-3-2.フローチャート
3. 開発環境
3-1.ハードウェア設計手順
3-1-1.Hardware Logicの設計
3-1-2.Xilinx ISE 及び EDKの使い方
3-2.ソフトウェア設計手順
4. 課題
5. スピード及び回路規模の測定単位
6. 参考文献
7. ダウンロード
第16回LSIデザインコンテスト・イン沖縄 設計仕様書 - 1
1. ノイズ除去アルゴリズム[1]
ノイズ除去の手法としては,複数のマイクロホンを用いて雑音を取り除くマイクロフォンアレー手法や 未知経路推定を行う適応フィルタリングを用いて雑音を取り除く手法等数多くの手法が提案されているが, 今回は周波数領域で雑音除去を行うスペクトル・サブトラクション法(SS法)を用いた雑音除去システムを実装する.
1-1. スペクトルサブトラクション法
ここでは,雑音除去アルゴリズムについて説明する.本システムでは周波数領域での雑音除去を行う. 図1に雑音除去アルゴリズムの構成図を示す.
まず,観測信号が音声とノイズの和で与えられると仮定する.時刻nにおける観測信号,音声,ノイズを それぞれx(n),s(n),d(n)とする.このとき観測信号x(n)は次式で表せる.
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ただし,音声とノイズは無相関であると仮定する.
次に,周波数領域での雑音除去のため,観測信号の離散フーリエ変換(DFT) を行う. DFT後の第lフレームにおける,フレームの先頭からk番目の観測信号スペクトルX(l,k)は次式で与えられる.
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ただしS(l,k),D(l,k)はそれぞれ音声と雑音のスペクトルである.ここで観測信号スペクトルX(l,k)から,
以下のように音声スペクトルの推定値を求めることを考える.
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G(l,k)はスペクトルゲインであり,観測信号スペクトルに適当なスペクトルゲインを乗じたものが,推定信号スペクトルとなる.
理想的なは音声とノイズのスペクトルX(l,k),D(l,k)を用いて,次式のように与えられる.
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式(4)を式(3)に代入すると,理想的なスペクトルゲインとして,次式が得られる.
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この時,音声スペクトルを完全に取り出すことができる.しかしながら,X(l,k)の情報だけでは雑音スペクトルD(l,k)を求めることはできない.
そこで,SS法では非音声区間のL個のフレームを用いて,ノイズ・スペクトル推定値を次式で求める.
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SS法をScilab上でシュミレーションした結果を以下に示す. プログラムファイル (SS_Method.zip)はここからダウンロードできる.